2009.01.28
世界一イカツいパブへ(後編)
世界一イカツいパブへ(後編)
まだ読んでいない人は世界一イカツいパブで(前編)からどうぞ。
翌日。
朝から親父さんと息子と一緒に車で出発。
この日はまずケリケリという町にある、ニュージーランドに現存する中で最古の建築物=ケンプハウス(Kemp House)や、同じく最古の“石造りの”建築物=ストーンストア(The Stone Store)、そしてワイタンギにある国立保護区を見に行った。
ワイタンギという土地は1840年、当時盛んに武力衝突を繰り返していたイギリス側とマオリ側が後のNZ(ニュージーランド)の根幹となる条約を交わした場所で、ニュージーランドという国にとって最も意義深い場所といえる。
海沿いにあるワイタンギ条約記念公園。
空に向かって伸びるマストの先に、はためく3つの旗(マオリ、NZ、イギリス)を眺める。
今から160年以上昔、自分のいるこの場所で、マオリの部族長46人とイギリス総督との間に1つの国の行方を決める大きなやりとりがあったと思うと何だかちょっとロマンを感じる。
ロマンをビンビンに感じた後はとりあえず腹ごしらえってことで、親父さんの運転する車はつい先日“行列して新商品を買うと時給が貰えるハンバーガーショップ”として日本で物議を醸した世界的チェーン店Mドナルドのドライブスルーに吸い込まれる。
3人そろって車内でガッツキつつ、向かった先は一軒のパブだった。
時間はまだ真昼間だというのに店内はそれなりに賑やかで、親父さんたちが入っていくとお互い常連といった感じの男たちがジョッキを片手に次々と話しかけてくる。
さてやっと本題。
タイトルに世界一イカツいとあるけれど、今回出会ったのはそんじょそこらのイカツい人たちとはレベルが違う、次元が違う、そして特に覚悟が違う。そんな人たちだった。
ではここで、どれぐらいイカツいかを分かりやすく説明してみるので、自分が大切にしている愛車(tavichoの場合はチャリンコ)で颯爽とツーリングしているところをイメージしてもらいたい。
その時突然ドカンと接触してきた買い物袋満載のママチャリ。右手ハンドルにぶら下げている袋からは特売のネギがモリモリはみ出しているぐらい満載の設定だ。
見ると前カゴが凹んでいる。
愛車(チャリンコ)の大切なチャームポイントの切ないまでの変形具合に対し、そ知らぬ顔で過ぎ去ろうとする相手の肩を後ろから荒々しく掴む。
でも、振り返ったその相手がもしもこんな人だったら.....
こんな人だったら.....
(写真は参考資料)
自分なら即反転して帰ります。
で、店内はこの写真のような人だらけ。
これは実際ものすごくイカツい。
このタトゥーは彼らマオリの風習の1つで、様々な意味のある紋様を身体だけではなく顔にもガッツリ刺青するのが特徴的だ。
それを知識として知ってはいたが、これだけ集まるとまさに圧巻。
骨太の体躯に分厚い筋肉。
K-1選手のマーク・ハントやレイ・セフォーみたいな体格で全身に刺青を背負った男たち。
マオリだからといって皆が皆顔にタトゥーを入れているわけではないし、親父さんたちも入れていない派なんだけど、この店はやけに顔タトゥー率が高い。女性すら見事な彫り物が入っていたりする。
そんな中に日本人の自分が一人。
もしもそれよりこっちの方が絶対世界一だよっていうイカツいパブ、バー等を知っている人がいたら、ぜひ写真を添えて連絡して下さい。いつか現地調査に行ってきます。
そんな見た目は超イカツい彼らだけれど、実はとってもフレンドリー。
気付いたら自分も自然と輪の中に混じっていた。
一緒に記念写真をお願いしようと思ったのに、カメラを忘れてきた自分が恨めしい。
2時間ほど飲んで店を後にする。
「いやー、なかなか楽しかった」と思っていると、車はまた違う店の前で止まった。
今度はスポーツバー。
どんどん飲めとビールを持ってきてくれるが、さっきの店で結構飲んできたので正直もうそんなに入らない。それでも2時間ほど一緒に飲んで、やっと車に戻ってきた。
時間的にはそろそろ晩ご飯。
暗くなってきた山道を走る車内で今日はいったい何だろうなんて思っているとどうやら到着。
しかし、車を降りて家の中に入ることは出来なかった。
なぜならそこは、またしても酒場。
それなのに親父さんと息子、まるでさっきまでのことなんか無かったかのように、無理な禁酒明けのアル中のような勢いで、ここでもまたガンガン飲みだした。
比べてこっちはさっきの店でもいっぱいいっぱいだったのに、これ以上飲んでも気持ち悪くなるだけ。吐かない様にするので精一杯だ。
しかし親父さんたち。気前がいいというか面倒見がいいというか、自分たちが流し込む合間にこちらにもどんどんビールを持ってきてくれようとする。
せっかく持ってきてくれたものをまったく飲まないわけにもいかず、かといってジョッキを空けてしまうと次のビールが...という八方塞がりの状況に、申し訳ないけれど隣にいた若者とひたすら話し込んでいるふりを決め込んでなんとかやり過ごす。
ここでも多分2時間ほど、やっとの思いで店を出たが.....
そう、夜はまだ終わってはいなかった。
結局この日は計5軒。
帰ったのは深夜日付が変わってからだったので、時間にして10時間以上は飲み続けたことになる。
にもかかわらず、親父さんたちのペースは最後まで落ちなかった。
彼らマオリの、本当にイカツいところは刺青の入った顔でも剛健な肉体でもなく、その底無しとも思える酒豪っぷりだということに気付いた、そんな長い一日。
翌日。
朝から親父さんと息子と一緒に車で出発。
この日はまずケリケリという町にある、ニュージーランドに現存する中で最古の建築物=ケンプハウス(Kemp House)や、同じく最古の“石造りの”建築物=ストーンストア(The Stone Store)、そしてワイタンギにある国立保護区を見に行った。
ワイタンギという土地は1840年、当時盛んに武力衝突を繰り返していたイギリス側とマオリ側が後のNZ(ニュージーランド)の根幹となる条約を交わした場所で、ニュージーランドという国にとって最も意義深い場所といえる。
海沿いにあるワイタンギ条約記念公園。
空に向かって伸びるマストの先に、はためく3つの旗(マオリ、NZ、イギリス)を眺める。
今から160年以上昔、自分のいるこの場所で、マオリの部族長46人とイギリス総督との間に1つの国の行方を決める大きなやりとりがあったと思うと何だかちょっとロマンを感じる。
ロマンをビンビンに感じた後はとりあえず腹ごしらえってことで、親父さんの運転する車はつい先日“行列して新商品を買うと時給が貰えるハンバーガーショップ”として日本で物議を醸した世界的チェーン店Mドナルドのドライブスルーに吸い込まれる。
3人そろって車内でガッツキつつ、向かった先は一軒のパブだった。
時間はまだ真昼間だというのに店内はそれなりに賑やかで、親父さんたちが入っていくとお互い常連といった感じの男たちがジョッキを片手に次々と話しかけてくる。
さてやっと本題。
タイトルに世界一イカツいとあるけれど、今回出会ったのはそんじょそこらのイカツい人たちとはレベルが違う、次元が違う、そして特に覚悟が違う。そんな人たちだった。
ではここで、どれぐらいイカツいかを分かりやすく説明してみるので、自分が大切にしている愛車(tavichoの場合はチャリンコ)で颯爽とツーリングしているところをイメージしてもらいたい。
その時突然ドカンと接触してきた買い物袋満載のママチャリ。右手ハンドルにぶら下げている袋からは特売のネギがモリモリはみ出しているぐらい満載の設定だ。
見ると前カゴが凹んでいる。
愛車(チャリンコ)の大切なチャームポイントの切ないまでの変形具合に対し、そ知らぬ顔で過ぎ去ろうとする相手の肩を後ろから荒々しく掴む。
でも、振り返ったその相手がもしもこんな人だったら.....
こんな人だったら.....
(写真は参考資料)
自分なら即反転して帰ります。
で、店内はこの写真のような人だらけ。
これは実際ものすごくイカツい。
このタトゥーは彼らマオリの風習の1つで、様々な意味のある紋様を身体だけではなく顔にもガッツリ刺青するのが特徴的だ。
それを知識として知ってはいたが、これだけ集まるとまさに圧巻。
骨太の体躯に分厚い筋肉。
K-1選手のマーク・ハントやレイ・セフォーみたいな体格で全身に刺青を背負った男たち。
マオリだからといって皆が皆顔にタトゥーを入れているわけではないし、親父さんたちも入れていない派なんだけど、この店はやけに顔タトゥー率が高い。女性すら見事な彫り物が入っていたりする。
そんな中に日本人の自分が一人。
もしもそれよりこっちの方が絶対世界一だよっていうイカツいパブ、バー等を知っている人がいたら、ぜひ写真を添えて連絡して下さい。いつか現地調査に行ってきます。
そんな見た目は超イカツい彼らだけれど、実はとってもフレンドリー。
気付いたら自分も自然と輪の中に混じっていた。
一緒に記念写真をお願いしようと思ったのに、カメラを忘れてきた自分が恨めしい。
2時間ほど飲んで店を後にする。
「いやー、なかなか楽しかった」と思っていると、車はまた違う店の前で止まった。
今度はスポーツバー。
どんどん飲めとビールを持ってきてくれるが、さっきの店で結構飲んできたので正直もうそんなに入らない。それでも2時間ほど一緒に飲んで、やっと車に戻ってきた。
時間的にはそろそろ晩ご飯。
暗くなってきた山道を走る車内で今日はいったい何だろうなんて思っているとどうやら到着。
しかし、車を降りて家の中に入ることは出来なかった。
なぜならそこは、またしても酒場。
それなのに親父さんと息子、まるでさっきまでのことなんか無かったかのように、無理な禁酒明けのアル中のような勢いで、ここでもまたガンガン飲みだした。
比べてこっちはさっきの店でもいっぱいいっぱいだったのに、これ以上飲んでも気持ち悪くなるだけ。吐かない様にするので精一杯だ。
しかし親父さんたち。気前がいいというか面倒見がいいというか、自分たちが流し込む合間にこちらにもどんどんビールを持ってきてくれようとする。
せっかく持ってきてくれたものをまったく飲まないわけにもいかず、かといってジョッキを空けてしまうと次のビールが...という八方塞がりの状況に、申し訳ないけれど隣にいた若者とひたすら話し込んでいるふりを決め込んでなんとかやり過ごす。
ここでも多分2時間ほど、やっとの思いで店を出たが.....
そう、夜はまだ終わってはいなかった。
結局この日は計5軒。
帰ったのは深夜日付が変わってからだったので、時間にして10時間以上は飲み続けたことになる。
にもかかわらず、親父さんたちのペースは最後まで落ちなかった。
彼らマオリの、本当にイカツいところは刺青の入った顔でも剛健な肉体でもなく、その底無しとも思える酒豪っぷりだということに気付いた、そんな長い一日。
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