2007.09.26
おじさンち
おじさンち
ランプの宿・別館。
本館から3軒隣りの、それは通りから少し奥まったところにあった。
木造平屋の離れのような建物。
端的に言わせてもらうと…かなりボロい(笑)
本館から3軒隣りの、それは通りから少し奥まったところにあった。
木造平屋の離れのような建物。
端的に言わせてもらうと…かなりボロい(笑)
ガラリと引き戸を開けるが人はいないようだ。

中に入ると先客の寝袋があった。
よかった、このスペースに一人はちょっとさみしい。
壁に貼られているたくさんの紙とダイアル式の小さなテレビがこの宿の歴史を感じさせる。
ちなみにトイレは故障中。

布団を敷いて自陣を確保し、荷物から必要な物を出して明日の予定を立てていると、不意に携帯が鳴った。
ディスプレイに表示されているのは知らない番号だが…出てみると年配の男性の声。
「○○さんの携帯ですか?」と俺であることを確認する。
あぁ、そういやさっき宿帳に番号書いたっけ。宿のおじさんかな?
と思ったら、
「誰かわかる?…俺、さっき乗せたおじさんだけど」って。
あれ?
あのトラックのおじさんとは番号交換してなかったはず…??
聞けば宿の主人に教えてもらったらしい。
親切にしてもらった人だし番号を教えるのはいいんだけど…本人の知らないところで教えるって、それどうなの?
それはともかくおじさん、「一緒にどう?」と晩メシを誘ってくれた。
なんと宿までタクシーを回してくれるという。
おぉ、なんかリッチメン。
出ようとすると入口に人影が。新しい旅人が到着したらしい。
暗闇にいる人物に声をかけるとどこかで聞いた声。それは朝興部で別れた19才のチャリダーだった。
彼とはこれで3回目、そしてこの後も会うことになる。
しかしだいぶ早い段階で抜かれていたはずなのにと思い聞いてみると、途中で山葡萄か何かを摘むのに夢中になっていて遅くなったらしい(笑)
タクシーに乗ること10分。
着いたのはおじさんの家らしき一軒家。
ん?
てっきりどっかの店で合流して一緒に食べるのかと思っていたけど…自宅なのか。
いや、別に自宅でもいいんだけれど、実は以前家に招いてくれた人がゲイだったというちょっと苦い思い出が。
俺は別にゲイをどうこう言うつもりはないし、そういう友達だっている。
けど。
それは彼らが普通に接してくれるからであって、身体を狙われてしまったら話は別。
そんなわけにはいかないじゃないすか。
…っていう状況で今はおじさんの家の前。
しかしタクシーまで回してもらって乗ってきたのに今更入らないわけにはいかない。
頭はフル回転でいざという時の対策を考えながら、恐る恐るチャイムを鳴らす。
(家族と一緒に住んでたりしないかな…)淡い期待が頭をよぎる。
「おぅ、鍵開いてるから入っといで」
勧められるままに中に入り、そして期待は失望へと変わった。
座布団に座りテーブルの上の缶ビールを飲むおじさん。
そこに家族のいる気配はない。
(ヤバいな、一人暮らしだ…)
おじさんは俺にも缶ビールを勧め、いくつかつまみを分けてくれた。
こうなったら覚悟を決めるしかない。
いざとなったらこっちも行動するのみだ。
ビールを飲みながらしばらく雑談が続く。
ヒッチハイクの話、北海道の話、おじさんの(普通の)趣味の話。
特に体を寄せてくることも触られることもなく、これは俺の思い過ごしだったかと思い始めたその時、不意におじさんがこう言った。
「風呂、入ってきたら?」
風呂!?風呂に入るってことは服を脱ぐってこと。
そういえばおじさん、最初の電話で俺がまだ風呂に入っていないことを確認していた。
…ヤバい、やっぱりかぁぁぁ。
「あ、いやその〜」なんとか適当な理由をつけてかろうじて受け流す。
こうなった以上、できるだけ早く離脱しなけりゃ我が身が危ない。
どうやって早く切り上げて帰ろうかと一生懸命考えるがなかなか良い案が浮かばない。
その間にも迫るおじさんからの再度の風呂コールをかわし、目の前のビールを流し込みながらさらに考える。
それは完全に予想外だった。
ガチャガチャっと扉を開ける音がして誰かが入ってくる。
!?
入ってきたのはおばちゃんパーマのおばちゃんだった。
(一人暮らしじゃなかった?)
おばちゃんは無言で台所に入ると何かを作り始める。
てことは!これで2人きりじゃなくなったってこと。
しかも女性。どうやらピンチは脱したらしい。
…しかしなんだか妙に空気が重たい。
ちょこちょこ酒のアテになりそうな物を出してくれるんだけど、お礼をいっても目も合わないし返事もない。
そもそもおじさんとの会話が無い。
おじさんは気にする風もなくビールを飲み、こっちにも飲め飲めと勧め話を続ける。
俺が知床半島で岬へ行く観光船に乗るつもりだと言ったら、
「知り合いの漁師がいつもその辺で漁やってるから乗ったらいい」と連絡してくれるという。
おおぉ!これはラッキー。
漁船に乗って知床半島の先までなんて、貴重な体験ができるかも。
電話が繋がったようでおじさんは何やら話している。ホントに仲良さそうだ。
が、
話を聞いているとどうやら波が荒いらしい。
ここ数日は相当波が荒く、プロの漁師でもリバース者が複数出てしまう状態のようだ。
以前普通の日のフェリーに乗っただけでヤバフォった俺なら即座に活動休止してしまう…。
というわけで、残念ながら断念。
丁重にお断りした。
その後は普通に孫の写真見せてもらったり(いたんすね)、おばちゃんも若干だけどしゃべってくれるようになったり。
また連絡することを約束し、最後は再びタクシーで宿まで。
疑ってゴメンなさい。
ごちそうさまでした!
【今日の移動距離】
興部町→網走 約135km

中に入ると先客の寝袋があった。
よかった、このスペースに一人はちょっとさみしい。
壁に貼られているたくさんの紙とダイアル式の小さなテレビがこの宿の歴史を感じさせる。
ちなみにトイレは故障中。

布団を敷いて自陣を確保し、荷物から必要な物を出して明日の予定を立てていると、不意に携帯が鳴った。
ディスプレイに表示されているのは知らない番号だが…出てみると年配の男性の声。
「○○さんの携帯ですか?」と俺であることを確認する。
あぁ、そういやさっき宿帳に番号書いたっけ。宿のおじさんかな?
と思ったら、
「誰かわかる?…俺、さっき乗せたおじさんだけど」って。
あれ?
あのトラックのおじさんとは番号交換してなかったはず…??
聞けば宿の主人に教えてもらったらしい。
親切にしてもらった人だし番号を教えるのはいいんだけど…本人の知らないところで教えるって、それどうなの?
それはともかくおじさん、「一緒にどう?」と晩メシを誘ってくれた。
なんと宿までタクシーを回してくれるという。
おぉ、なんかリッチメン。
出ようとすると入口に人影が。新しい旅人が到着したらしい。
暗闇にいる人物に声をかけるとどこかで聞いた声。それは朝興部で別れた19才のチャリダーだった。
彼とはこれで3回目、そしてこの後も会うことになる。
しかしだいぶ早い段階で抜かれていたはずなのにと思い聞いてみると、途中で山葡萄か何かを摘むのに夢中になっていて遅くなったらしい(笑)
タクシーに乗ること10分。
着いたのはおじさんの家らしき一軒家。
ん?
てっきりどっかの店で合流して一緒に食べるのかと思っていたけど…自宅なのか。
いや、別に自宅でもいいんだけれど、実は以前家に招いてくれた人がゲイだったというちょっと苦い思い出が。
俺は別にゲイをどうこう言うつもりはないし、そういう友達だっている。
けど。
それは彼らが普通に接してくれるからであって、身体を狙われてしまったら話は別。
そんなわけにはいかないじゃないすか。
…っていう状況で今はおじさんの家の前。
しかしタクシーまで回してもらって乗ってきたのに今更入らないわけにはいかない。
頭はフル回転でいざという時の対策を考えながら、恐る恐るチャイムを鳴らす。
(家族と一緒に住んでたりしないかな…)淡い期待が頭をよぎる。
「おぅ、鍵開いてるから入っといで」
勧められるままに中に入り、そして期待は失望へと変わった。
座布団に座りテーブルの上の缶ビールを飲むおじさん。
そこに家族のいる気配はない。
(ヤバいな、一人暮らしだ…)
おじさんは俺にも缶ビールを勧め、いくつかつまみを分けてくれた。
こうなったら覚悟を決めるしかない。
いざとなったらこっちも行動するのみだ。
ビールを飲みながらしばらく雑談が続く。
ヒッチハイクの話、北海道の話、おじさんの(普通の)趣味の話。
特に体を寄せてくることも触られることもなく、これは俺の思い過ごしだったかと思い始めたその時、不意におじさんがこう言った。
「風呂、入ってきたら?」
風呂!?風呂に入るってことは服を脱ぐってこと。
そういえばおじさん、最初の電話で俺がまだ風呂に入っていないことを確認していた。
…ヤバい、やっぱりかぁぁぁ。
「あ、いやその〜」なんとか適当な理由をつけてかろうじて受け流す。
こうなった以上、できるだけ早く離脱しなけりゃ我が身が危ない。
どうやって早く切り上げて帰ろうかと一生懸命考えるがなかなか良い案が浮かばない。
その間にも迫るおじさんからの再度の風呂コールをかわし、目の前のビールを流し込みながらさらに考える。
それは完全に予想外だった。
ガチャガチャっと扉を開ける音がして誰かが入ってくる。
!?
入ってきたのはおばちゃんパーマのおばちゃんだった。
(一人暮らしじゃなかった?)
おばちゃんは無言で台所に入ると何かを作り始める。
てことは!これで2人きりじゃなくなったってこと。
しかも女性。どうやらピンチは脱したらしい。
…しかしなんだか妙に空気が重たい。
ちょこちょこ酒のアテになりそうな物を出してくれるんだけど、お礼をいっても目も合わないし返事もない。
そもそもおじさんとの会話が無い。
おじさんは気にする風もなくビールを飲み、こっちにも飲め飲めと勧め話を続ける。
俺が知床半島で岬へ行く観光船に乗るつもりだと言ったら、
「知り合いの漁師がいつもその辺で漁やってるから乗ったらいい」と連絡してくれるという。
おおぉ!これはラッキー。
漁船に乗って知床半島の先までなんて、貴重な体験ができるかも。
電話が繋がったようでおじさんは何やら話している。ホントに仲良さそうだ。
が、
話を聞いているとどうやら波が荒いらしい。
ここ数日は相当波が荒く、プロの漁師でもリバース者が複数出てしまう状態のようだ。
以前普通の日のフェリーに乗っただけでヤバフォった俺なら即座に活動休止してしまう…。
というわけで、残念ながら断念。
丁重にお断りした。
その後は普通に孫の写真見せてもらったり(いたんすね)、おばちゃんも若干だけどしゃべってくれるようになったり。
また連絡することを約束し、最後は再びタクシーで宿まで。
疑ってゴメンなさい。
ごちそうさまでした!
【今日の移動距離】
興部町→網走 約135km






